「どう見ても日本人にしか見えないんですけど」
髪型はショートカット、黒髪が雨に濡れて黒々と光っている
まさにカラスの濡れ羽色とでも言うのだろうか
メリーさんは黒々とした瞳でこっちを見つめている
「ああ、これは役職なので私に割り振られたのがメリーさんなんです」
「職業なの・・・?」
「はい、ちなみに生前は中山です」
死んでからもいろいろあるんだなと僕は思った
「それで中山さん、どうして家に?」
「あ、メリーでお願いします。
今日ここに来たのはあなたに驚いてもらう予定だったんですが・・・」
驚いてませんでしたよね・・・と下を向いてメリーさんは落ち込みだした
「仕事って言ってたけど驚かすのが仕事なの?」
「はい、そうなんですけどまぁ自分の為ですね説明すると長くなるけどいいですか」
「いいけど、どうせ暇だし」
せっかくの休日を雨に邪魔されどこへも行けない僕には
ちょうどいい暇つぶしだ
この自称メリーさんに付き合う事にした