あのトイレはよく利用する。もしかして見られていたのだろうか…
「今度紹介しますよ」
ああ、ありがとう…と、あまり気が進まなかったが
とりあえずお礼を言っておいた。
そんな会話をしていると図書室の扉が見えてきた。
古臭い大きな木製の扉。開けにくくて有名だが
開放されていたので開館中と言う事だろう。
中へ入ると独特の紙の匂いがした。
懐かしいな、ここに来るのは図書委員をやめてから
一度も来ていない。
辺りを見渡すと、本を読んでる生徒は一人もいない
だがカウンターの椅子に座っている見慣れた顔を見つけた。
弁当箱が重箱なんて奴は一人しかいない。
「やぁ、おまえが図書室に来るなんて今日は雨でも降るのかな?」
古い例えをもってくる浩平。
現、図書委員なのだからここにいるのは不思議じゃない。
「過去の新聞はどこだ?」
と、軽く皮肉を無視して浩平に尋ねる。
「うむ、それならそこの保管室の中だ
ダンボールに入っているが日付が書かれているから
おまえならすぐ見つけるだろう」
ありがとうと言い。保管室へと入る。
古い本など倉庫代わりに使われているらしいこの部屋はカビ臭かった。