これで住所がわかった。
辺りは暗くなりはじめた頃だったが
自転車なら間にあう気がする。
メリーさんに自転車の後ろに乗るように促して
自転車を漕ぐ。
メリーさんは黙ったままだった。
僕は彼女の家に行っていいのかと迷った。
もしかしたらつらい思いをするかもしれない
「メリーさん…君の家行って見る?」
「…行きます」
それ以外僕もメリーさんも何もも言わなかった。
星が見え始めた夜空を眺めながら
僕は自転車を漕ぎ続ける。
30分ほど自転車を漕ぎ続けると
辺りはすっかり真っ暗だった。
自転車の明かりを頼りに進み続ける
いつのまにかメリーさんの手が僕の制服の
掴んでいたが。僕は無言で走り続けた。
やがて僕の家が見えてきた。
明かりがついているので親が帰って来ているのだろう。