「ありがとぅ」
笑顔でそう言った時、彼女の頬を涙が流れた
髪の毛から垂れた水かもしれないけど
柄にもなくドキッとしてしまった。
その時、一階の玄関が開く音がした
親が帰ってきたのだろう。
「あ、そろそろ私は帰ります
これ以上お邪魔しちゃ悪いですし」
「ああ、また連絡してくれ」
「はい!それでは」
立ち上がるとメリーさんは窓の外へ消えていった
僕は彼女のためにがんばって果たせなかった事を見つけてあげようと
思った。
残ったマグカップとバスタオルを片付けようと立ち上がると
すぅっとメリーさんが帰ってきた。
「あ、それとお茶ごちそうさまでした
アールグレイですよね?ものすごくおいしかったです。それでは」
それだけ言うとメリーさんは再び窓の外へと消えた。
僕は彼女のためにがんばって果たせなかった事を絶対に
見つけてあげようと思った。