それから、何年か経ち俺が中学の頃、今度は親父が事故で帰らぬ人となった。
親父の葬式の席で親族が集まりこれからの俺たち家族の事で話し合うことになった。
親父の両親(俺から見て祖父母)は既に無く親戚づきあいも疎遠で
葬式には親父の親族は誰も来なかった。
後から知った事だが親父はガキの頃に両親を亡くし
親戚中をたらい回しにされ。おまけにひどい扱われようだったらしい。
そんな事もあり自分が大人になって働き出してからは一切、縁を切っていたらしい。
まあ、そんな状況もあり
今後の俺たち親子の事を生母、義母側双方で話をする事になった。
元々義母の両親は義母と親父との結婚に反対していた。
まぁ親としては娘の結婚相手にコブ付きだとやっかむの当然かもしれない。
また生みの母の両親は、
まだ若い義母の事を考えて俺を引きと取ると言い出した。
双方の親の利害が一致して俺は生母の家に引き取られると決まりかけた時。
それまで双方の話を聞くだけだった義母が口を開いた。
「この子は私の子です。例え血が繋がって無くても私の子供です!」
「お願いですから、この子は私に任せてください。」
物腰の柔らかい義母が珍しく語気を荒げていた。