結局、女さんに用務員のおじさんを呼んできてもらい、梯子で木から降りた。
用務員「・・・また君か、勘弁してよ、本当に」
用務員のおじさんは、5・7・5で感想を述べると体育館裏から出て行った。
男「・・・ウッキー」ゴシゴシ
女「この期に及んでまだやるんかい!」
あれ?妙だな。女さんが少しだけ笑った気がする。それにちょっと機嫌が良い様な感じがする。
男「今日は以上だけど。どうだった?」
女「・・・下らないわよ。何よゴリラと猿のモノマネって。それに」
男「ん?」
女さんが肩を震わせながらしゃがみ込み、両手で口を抑えた。
女「お、おり、降りられなくて昨日の用務員のおじさん呼ぶとか馬鹿だー。ここに馬鹿がいる。アハハハハ」
男「あ」
女さんは目に涙を浮かべながら笑い転げている。あれ?何だこれ?もしかしてこれって
男「もしかして、ウケてる?」
女「・・・うるさい!見んな!馬鹿!」
男「あ、や。やった!うけてる!笑ってる!」
女「・・・フ、フフフ!アハハ」
男「やったぁぁぁぁぁ!笑ってるぞ!俺が笑わしたんだぞ!」
女「うるさい!ちょっとあっちいってて!」
言葉は相変わらず辛辣だが、まだ肩を震わせて笑っている。女さんはモノマネが好き、と。意外だな、こんな幼稚園児が好きそうなネタで笑うとは。それにしても、笑った顔は、想像以上に可愛らしい。