校庭の一角
女「あはは。緑に囲まれてする食事も良いものですね。…私、いつもは教室で済ませてしまいますから」モグモグ
男「俺達も似たようなものだよ…学食か購買を利用してるけど…購買の時も一階広場で食べてるしね」パクパク
幼「…」パク…
女「それで…いかがでしょう?私の作った弁当は」
男「うん、すごく美味しいと思う。特にこの卵焼き…シンプルな料理なのに俺なんかが作るのとはわけが違うよ」
女「うふふ、ありがとうございます」
女「幼なじみさんはどうですか?気に入っていただけました?」
幼「…そうだねっ、私もすごく美味しいと思いますよっ」
女「ありがとうございます。今度は是非幼なじみさんの手料理をご馳走になりたいです」
幼「それで…見せたい物って何なんですか?」
女「あ、もうですか?私は食べ終わった後にしようかと思ってたのですが…ふふ、それじゃあお見せします」
女「男君。今硝子玉は持ってますか?」
男「持ってるけど…って何で女さんが硝子玉の事を…?」
女「あ、私あの店の娘なんです」
男、幼「えっ!?」
女「それで、父がお二人に硝子玉を渡した時、娘にもプレゼントをどうのこうのと言ってませんでしたか?」
男「そういえば言ってた気が…」
女「今日お見せするのはその父からのプレゼントなんです」
女「今日お見せするのはその父からのプレゼントなんです」
幼「…」
女「ゴソゴソ…これです」
男「硝子の…針…?」
女「針というには少し太すぎるきらいもありますが…まあ針で問題ないでしょう」
幼「全部で…7本…」
女「はいそうです。まあ今回使うのは6本ですけれどね」
男「それぞれ先端に色がついてる…」
女「仕組みは硝子玉と同じです。最も、それ程しっかりした作りでないので光るほどではありませんが…男君、硝子玉をこの台の上に置いてもらえますか?」
男「わかった…」
女「ありますがございます。それじゃあ始めますね」
女「男君の硝子玉は赤なので、1本、赤の針を抜きます。そして硝子玉を囲むように、橙、黄、緑、藍、紫の順に台に突き刺すと…」
幼「!!」
男「虹…」
女「その通りです。虹の割には全体的に青系色が強くなってしまいましたが」
幼「どうしてっ…!…こんなっ…」
女「虹の仕組みですか?…うーん、ごめんなさい、作ったのは父なのでちょっと私にはわからないです」
男「すごいな…。店長さん、俺と幼なじみの硝子玉同士でしか虹は出来ないって言ってたけど、そんな事もなかったのかな?」
幼「…っ」
男「あ、女さんは俺と幼なじみの硝子玉でも虹が出来るって事知ってた?それも綺麗なんだよねー。あ、そうだ!」
男「まず俺と幼なじみの硝子玉で虹を作って、その周りにこの硝子針で囲んだらどうなるんだろう?やってみたくない!?ね!?」
女「あら…」
幼「………」
幼「………」
男「…ん、どうしたの?…今から硝子玉同士で虹を作って…」
幼「………ごめん…」
男「…え?」
幼「…ごめん…ね…」