男「(なんかちょっと怖い…)」
幼「(私ちょっとどころじゃないんですけど…)」
店長「…男の子の方は…近ごろたまにうちの店に来てくれる子だね…。買っていってはくれないけど…」
男「すっ、すいませんでしたっ!」
店長「…いやいやかまわないよ。…うちは、作品を学生がそう簡単に手を出せる値段で売っていないからね…」
店長「…それなのに、興味を持ってくれて…時々店をのぞいてくれるのは…本当に嬉しい事だ」
幼「(顔の割には…結構良い人なのかな?)」
男「(顔の割にはって失礼すぎるよっ!?)」
店長「…君が来てくれている時。…さっきのような事を伝えたいと思っていたんだが…」
店長「…最近…一つ…大作を手がけていてね…。たったさっき仕上がったんだが…硝子細工というものは…一度作業に入ったら手が離せないものでね…なかなかタイミングの合う時がなかった…」
男「そんな事を考えて下さっていたなんて…とても嬉しいです…あのっ、それと今日はお金持ってきたので、是非作品を売って下さい!」
店長「…君が欲しいのは、この硝子玉かい?」
店長「…君が欲しいのは、この硝子玉かい?」
男「は、はい!そうです!」
店長「…ふむ…困った。実はこの硝子玉は私のオリジナル作品でね…売り物じゃないんだ。…これを売ったりしたら娘に怒られる」
男「…え」
店長「…それに、たったさっき出来た作品は…これのつがいとなるものでね…二つを離してはいけないが…でも決して側においてはいけない」
男「…そんな」
幼「男君…」
店長「む…そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。…いけないな…いじわるが過ぎた…」
店長「…あげるよ。この硝子玉。…一つは君に…もう一つは女の子の方に…」
男「…えっ」
幼「…私まで…いいんですか?」
店長「…ああ、もちろん。…君達ならば、遠すぎず…近すぎず…調度良いくらいの距離で持っててくれるだろう…」
男「でも…娘さんは…」
店長「…ははは。…娘には同じものとはいかないが…似たものを元々プレゼントするつもりだったんだ。…それで許してくれるだろう」
男、幼「…ありがとうございます」
男、幼「…ありがとうございます」
店長「…それじゃあ、君にはその赤い硝子玉を…君には…さっきできたばかりの…この紫の硝子玉を…」
男「こんな…価値のあるものを、ただで…」
店長「…いや、決してただではないよ。…君達はお金を払う代わりに、その硝子玉を…大事に、大事にしていてくれ。それがもし出来ないのであれば…申し訳ないが、返してもらう」
男「もちろん大事にします!」
幼「私もです!」
店長「…そうか。ならそれはもう君達のものだ…。…と、そうだ。最後に少しだけ…面白いものを見せようか…」
男「面白いもの…?」
店長「…そうだ。二人とも…ちょっと硝子玉を貸してくれないか。…ありがとう。…この硝子玉は光源に近づけると光るのは知っているね…?」