だったらそれをフル活用して
やろうという姑息な考え。
ところが失態。
泣いちゃったんですよ、
彼女じゃなく俺が。
感極まって。
思い出話なんかしながら
いい雰囲気でグルグル廻って
最後に例の公園へ行ったわけです。
昔はそこから校舎が見えて
町が見えたよね…
なんて話をしてたら
自分がグッときちゃってさ。
策士策に溺れる。
気づいたら涙ポロポロ。
自分で仕掛けた姑息な罠に
自分で嵌るとかありえんのですが
不登校引き篭もりとかあった
俺の黒歴史なわけです。
それがその原因となった女の子に
再会してデートまでしてもらってるとか
思ったらなんか感動したんですよ。
ああ恥ずかしい。
ただ、彼女は黙って
俺の手を握ってくれましたよ。
リア充ならここでキスでも
できるんでしょうけど
俺には無理でした。
でも十分じゃないすか?
手を握ってくれたんですから。
そして寒くなったんで食事へと。
ネットで探した店で普通に食事をして
普通に会話をして1回目のデートは
そんな感じで無事終了。
って、終了させてどうする?
次の約束もできずに…
帰り道は車を運転しながら
一人で色々と考えるわけですよ。
なんといっても気になるのは現在のカレシ。
その話は最初に会った時以来、
一言も言ってくれないけど
確かに『つき合ってる』と言っていたし。
しかも結婚を申し込まれているとも。
今日のデートは彼に
なんと説明したのかなあ?
内緒にしてあるのか??
とか。
もし俺が逆の立場だったら
絶対に行かせないけどなあ…
それとも二人で俺を生暖かく
観察してるのか?
「あのキモオタ本気でヤバイよぉー」
とか。
ホテルに入った瞬間に
強面のお兄さんが出てくるとか。
そんなのだったら悲しいけど、
ありえない話じゃないし…みたいな。
ずっとそんな事を考えてたら、
いつの間にか自宅に着いてました。