??? 「……先 輩? です か?」
俺 「」
おいおい、まさかですか?
言葉というか声が出ないよ。
??? 「先輩? なんですよね? そうですよね?」
女性の声はもう叫び声になってる。
俺 「後 輩 さん?」
やっとのことで声が出た。
震えてるよ。
カッコ悪いけど。
次の瞬間、
悲鳴とも絶叫ともいえない声で
人影がこっちに向かって走ってくる。
思わずちょっと後ずさり。
俺の手前2メートルの位置で女性が止まる。
暗くてよくわからん。
後輩さんかどうかは判別がつかなかった。
俺が持ってる写真から10年以上経ってるし。
でも俺の名前を知ってるし、
なにより今ここにいることが
その証明だろうと。
ホワイトデー、奇跡の再会ですわ。
この時点で俺、有頂天。
まさか本当に会えるなんて
思ってなかったですから。
しかも彼女が感動して
泣いてるのとか見ると
なんか嬉しくなっちゃいましたし。
ひょっとしたらこのまま二人は…
とか一瞬でイロイロと
考えてしまいましたよ。
現実は厳しいんですけどね…
彼女がここに来た本当の理由は…
再会した二人は、
タクシーに料金を払うと
お茶でもということになって
国道沿いの ファミレスへ。
そこでは長い時間、
話をしました。
実は彼女もここへ来たのは
今回が初めてだったらしい。
当時は遠いところに住んでたし
引越し以降、俺から一度も
連絡がなかったから
再会は諦めていたそうです。
そんな彼女が今年になって
ここに来たのは理由があったんです。