カオナシ「……….」スッ….
千尋「わぁ…..綺麗な夕日……」
カオナシ「……….」
千尋「これを私に見せたかったの?」
カオナシ「……….」モジ……
千尋「ありがとう……嬉しい……」
カオナシ「……….」モジモジ……
千尋「最近悩んでばかりで,,,空一つ見上げてなかった」
カオナシ「……」
千尋「夕日って….こんなにキレイなんだね….」
カオナシ「……」コクリ…..
千尋「トンネルを抜けた後、油屋で過ごしたことはまるで夢みたいに思ってて…」
カオナシ「…..」
千尋「次の日から新しい学校生活も始まったし、それどころじゃなかったの」
カオナシ「…..」
千尋「でも進路を決めなきゃって時に…昔のことをいろいろ思いだしたりしててね」
カオナシ「…..」
千尋「あなたのことを….一番最初に思い出したの」
カオナシ「……」ドキン….
千尋「それからお父さんにトンネルまでの道を聞いて何度も何度も足を運んだの」
カオナシ「…..」
千尋「それでも油屋には行けなくてね」
カオナシ「…..」
千尋「やっぱり夢だったのかも….って何度も自分を疑ったんだ」
千尋「お母さんにはトンネルばっかりに行ってないで進路を決めなさい!って怒られちゃうし」
カオナシ「…..」
千尋「このまま….大人になって油屋で過ごしたことを忘れちゃうんじゃないかって思うと怖かった」
千尋「誰にも相談できないから….余計に不安で….」
カオナシ「…..」スッ…
千尋「慰めてくれるの…..?」
カオナシ「…..」サッ
千尋「あ、いやだったわけじゃないよ ありがとう」
カオナシ「……」モジモジ…..
千尋「前までは鮮明に思い出せた油屋での記憶も今ではとぎれとぎれにしか思い出せない」
カオナシ「…..」
千尋「でも不思議だね、あなたのことは覚えてた」
カオナシ「…..」
千尋「おなかすいてない?お昼に食べ損ねたおにぎりがあるの」
カオナシ「…..」
千尋「おいしい?」
カオナシ「…..」コク…コク….
千尋「良かった。」
カオナシ「…..」
千尋「ねぇ、ひとつきいていい?」
カオナシ「…..」