ジャイアン「でもお前――」
スネ夫「大丈夫だから、一人にして」
ドラえもん「分かったよ。二人ともそれでいいね?」
ジャイアン・しずか「……ああ(うん)」
僕は崖から落ちたらしい。
でも体は全然痛くない、それどころかさっきより体が軽いくらいだ。
落ちた瞬間、何か違和感を感じた。
何かがずれたような、そんな違和感だ。
だが瞬間というよりも、落ちた後と言ったほうが適切だろう。
あの時、確かに僕は崖から落ち、そして死んだ――はずだった。
――死んだはずなのに生きている?
そんなはずはない。
死んだ人間は二度と生き返らないのだ。
もし生き返らせることが可能でもそれは破ってはいけない絶対の禁忌。
じゃあ何で僕は今こうして生きているんだろうか。
……今何かが思い出せそうだった。
僕の記憶の中に、記憶喪失になりながらも脳に焼き付いて離れない何かが。
そうだ思い出した。
死んだはずなのに活動できる、記憶喪失、この二つのキーワードだけでも十分分かる。
失っても尚取り戻すほどに僕は好きだったんだ。
これはあのアニメと酷似している。
僕の好きな、思い出のあのアニメ。
********に。
ああそういうことなら大丈夫だ。
記憶の取り戻し方も分かる。
何をすればいいのかも分かる。
でもなぜだろう、まだどこかにもやがかかっている様なすっきりしない。
きっと記憶を取り戻していないせいだろう。
だが記憶を取り戻すよりも先にすべきことがある。
天使――ドラえもんへの攻撃。