********を思い出せたらもう天使が何なのかはすぐに分かった。
仲間の――味方の協力が必要なことも。
作戦、開始。
――くそがッ!
このポンコツのせいで構成が破綻しているじゃないか。
スネ夫のやつはもう勘付いたようだし、ドラえもんにいたってはおかし過ぎる。
仕方ない、ほとんどシナリオが崩れてしまうが飛ばし飛ばしで強制的に進行させよう。
僕の好きな********とは程遠くなるが、我慢だ。
もっと精度を高めていけば原作に近づけるはず。
それまでの辛抱だ。
今回はもう終らせる。
今日、できなければ明日以内に。
生身だときついかも知れないけどせいぜい頑張ってね。
――スネ夫。
まずはジャイアンたちと連絡を取らないと何も始まらない。
ドラえもんを帰すためとはいえ二人とも帰したのは痛手だった。
スネ夫「う……なんだ……」
頭が、割れるようにいたい。
体中が火照っていく。
僕は耐え切れずにその場に倒れこんだ。
頭痛がなくなると、ある変化があった。
スネ夫「……記憶が戻っている」
おかしい。
僕が知っているものと同じストーリーなら記憶はまず催眠術によって中途半端に思い出し、心臓の鼓動で全て
を思い出すはずだからだ。
でもこれはこれで好都合といえるだろう。
やるべきことが一つ減ったのだから。