……ジャイアンたちへの連絡は公衆電話でできるだろうか。
しずかちゃんはいつも携帯電話を持っているからいいのだが、ジャイアンは日頃携帯電話を携帯していないから心配だ。
幸い小銭は持っていた。
ジャイアンとしずかちゃんの電話番号は記憶している。
小銭を横に置いていつでも追加で入れられる準備をした僕はすばやく番号を打ち込み電話をかけた。
スネ夫「あ、しずかちゃん? 僕だよスネ夫」
しずか「スネ夫さん? もう病院には行ったの?」
スネ夫「ああうん。でも一時的な記憶障害ですぐに記憶が戻ったんだ」
嘘だ。
病院などには行っていない。
しずか「よかった。心配したのよ? スネ夫さんがストレスでどうにかなっちゃったのかと思って」
スネ夫「ストレス? 今の僕は別にストレスなんか感じてないよ」
寧ろこのような状況になって快感すら覚えている。
誰だか知らないが今のようにしてくれた人には感謝しよう。
しずか「そう、だったらいいんだけど……無理はしないでね」
スネ夫「ありがとう。それよりちょっと話があるんだ」
しずか「話?」
スネ夫「そう、裏山にジャイアンと一緒できてもらえると助かる」
しずか「いいけど……ドラちゃんは?」
スネ夫「ドラえもんには、ちょっと話しづらいこと何だ」
しずか「そう……わかったわ。武さんと一緒に裏山に今から行くわね」
スネ夫「じゃあ一本杉の所に来て」
スネ夫「っとごめんそろそろ切れそうだ」
スネ夫「また後で」
ジャイアン「おうスネ夫聞いたぞ記憶戻ったんだってな。まあそれより話ってなんだ?」
しずか「ドラちゃんには言いづらいことって何?」
スネ夫「見てもらったほうが早いかなって思ってね」
ジャイアン「は? お前一体何を言って――ッ!」
僕は背後からおもむろに鉈を取り出す。
スネ夫「そんなに驚かなくてもいいよ。別に二人をどうこうしようって訳じゃない」