しずか「……じゃあ早くその刃物をしまって」
スネ夫「二人をどうこうしなくても、自分にはどうこうするんだよ」
言い切る前に僕は右手に持つ鉈で自らの左腕の肘から先を切り飛ばした。
しずか「きゃっ!」
ジャイアン「スネ夫お前とうとう気でも狂ったか!」
ジャイアン・しずか「「………………えっ?」」
二人の視線が僕の左腕に集中する。
腕が切り飛ばされたからではない。
もっと不自然な光景に見るような目で見ている。
それもそうだ、だって僕の左腕は――
ジャイアン「お前その腕……」
しずか「戻ってる……ちゃんと、腕がある……」
――僕の左腕は元に戻っているのだから。
スネ夫「話しても信じてもらえないだろうから見てもらったんだ」
しずか「えっと、切られた腕が再生した、ということかしら」
スネ夫「さすがしずかちゃん、察しがいいね」
ジャイアン「待てよスネ夫そんなのありえないだろ。切られた腕が戻るなんて」
しずか「手品か何かでしょうスネ夫さんたらいたづらが好きなんだから」
スネ夫「ん~まだ信じてもらえていないみたいだね」
その後僕は自分の体を鉈で何度も切った。
切っては再生されるのを何度か見せながら僕が今いる状況を簡潔に説明する。
********と違って再生速度が速いのが今回は好都合だった。
ジャイアン「ということは今お前はそのアニメの主人公と同じ立場にいて、エンディングを迎えればいいんだな」
スネ夫「そう。しずかちゃんも分かった?」
しずか「ええ大体は」
スネ夫「よかった」
スネ夫「じゃあまず僕たちは天使――ドラえもんに攻撃を加える」
しずか「ドラちゃんに!?」
スネ夫「そう、あのドラえもんを相手にしなくちゃならない」
ストーリーの大まかな構成は話したが、少し嘘も混ぜておいた。