ドラえもん「だけど僕は逃がさない」
ドラえもん「それが、のび太君自身のためだから」
ドラえもん「それが、のび太君の本当に必要とする道だから」
ドラえもん「あの箱の中身はきっとその道を示す街灯となるはずだよ」
ドラえもんが意図することがやっとわかったよ。
僕は何を必要としているか、ドラえもんは最初から分かってたんだ。
分かっていながら直接渡さず、遠まわしにした。
さすがだよドラえもん。
今まで散々ポンコツポンコツと言ってきたけれど、僕もどっこいどっこいでポンコツだったようだ。
僕の気持の奥底をさらって行くように見透かしていて、でも僕はそれを否定し続けてずっと押し込めていたんだね。
君のようなロボットが友達で僕は本当に幸せだよ。
ドラえもん「さて、のび太君ももう箱の中身を使っている頃だし家に帰ろうか」
ドラえもん「のび太君なら、きっと僕の考えを読み取っているだろうからね」
ドラえもん「のび太君の最後の友達として、見届ける義務が僕にはある」
ああドラえもんが帰ってきたみたいだ。
窓のほうかたタケコプターの音が聞こえる。
ふふっ、本当にドラえもんは僕の気持がよくわかってるなあ。
ドラえもん「のび太君、その様子だともう中身を使ったみたいだね」