横っ腹に衝撃を感じると同時に、
のび太の体は蹴り飛ばされタンスに叩きつけられた。
ジャイアンが振り返ると、のび太を蹴り飛ばしたと思われる二人組が立っていた。
二人とも黒服にサングラス。その手にはチのついたナイフが握られていた。
黒服1「大人しくするんだな。騒がしいのはごめんだ」
黒服2「しかし野比のび太まで一緒とはありがたいな……手間が省けた」
ジャイアン「……おまえらか?」
黒服1「あ? 何がだ?」
ジャイアン「ジャイ子と母ちゃんにこんなことしたのはおまえらかって聞いてんだ!」
返事を待たずにジャイアンが突撃する。
ジャイアンのラリアットが黒服の二人を吹き飛ばした。
黒服1「がはぁ!!」
黒服2「ぐほぁぁ!!」
ジャイアン「貴っ様ら、よぉくも~~~!!!!!!!」
咆哮しながら、ジャイアンは馬乗りになり二人を殴り続ける。
黒服1「が!!ちょ……やめ……ぐほぉ!!」
黒服2「く……そ!!いい加減にしやがれ!!」
黒服の蹴りがジャイアンの腹にヒットし、後退したジャイアンと黒服二人の間に間合い
ができる。
ジャイアン「よくも、よくも母ちゃんを!ジャイ子を!のび太を!!」
黒服1「はぁ……はぁ……こいつ、何だよ。化け物かよ」
黒服2「このままじゃ分が悪いな。あれ、使うか」
黒服1「しかし、未来の痕跡を残すわけには……」
黒服2「言ってる場合か? 保身が優先だ」
そう言うと黒服のうち一人がポケットに手を入れ、銀色の筒状のものを取り出す。
男はそれを指にはめ、拳銃よろしくジャイアンのほうへ構えた。