出木杉の手からスタンガンをもぎ取ると、
偽スネ夫は出木杉の体を近くのフェンスに叩きつける。
出木杉「うがっ!!はぁ……はぁ……」
偽スネ夫「出来杉のくせに僕を倒そうなんて、生意気なんだよ」
出木杉「ぐ……あ……」
偽スネ夫「君はどうせしずかちゃんを手に入れることもできない。脇役に過ぎないんだよ。
ちょっと人よりできるだけで、調子に乗りすぎたね」
出木杉の首に、スタンガンの電極が押し付けられる。
偽スネ夫「じゃあね、生意気な脇役くん」
偽スネ夫がスタンガンのスイッチを押した――
――パァン!!
閃光とともに火花が飛ぶ。口から煙を出し、痙攣しながら……偽スネ夫がくず折れる。
偽スネ夫「なん……なん……な……んで……」
最後に大きく痙攣してコピーロボットは動かなくなった。
出木杉「ぐ……危なかった……」
出木杉「しかしのび太くんも意地の悪い武器を作るよな」
足元から、焦げたスタンガンを拾いあげる。
出木杉「スイッチから電流が流れるスタンガンなんてさ」
2週間前、スタンガンを渡しながらのび太が説明していた。
のび太「このスタンガンはね、特殊な装置がついてるんだ。グリップの底についてる小さな
つまみなんだけど……これを右にひねると普通にスタンガンとして使える。ところ
がこれを左にしておくと、回路が切り替わり電極ではなくスイッチから電流が流れ
るんだ」
しずか「どうしてそんな機能を?」
のび太「威力の高い武器ほど相手に奪われたときの対策が必要なのさ。自分が使うとき以外
はつまみを左にセットしておく。これなら敵にスタンガンをとられても、知らずに
向こうがこれを使えば自滅させられる」
出木杉「なんというか、さすがのび太くん……悪知恵が働くね」
スネ夫「……!? おかしい」
ジャイアン「どうした、スネ夫」
スネ夫「準マイクロ波の反応はそのままなのに、外のやつらの姿が消えたんだ」
ジャイアン「なにぃ!?」
スネ夫「おかしい……周波数から見てもコピーロボットがいるのは間違いないのに、何で見
えないんだ?」
ジャイアン「おい、どうすんだ!やつらこっちに来るんじゃないか?」
スネ夫「ちょっと待ってよ……周波数を変えて測定データを検索……!! 今までに測定さ
れてない微弱な電磁波がコピーロボットの準マイクロ波と同調してる……そうか、
石ころ帽子だ!!」
ジャイアン「どうすんだよ!向こうの姿が見えなきゃ戦えないぞ!!」
スネ夫「電磁波受信機だ!あれで敵の方向を確かめて、GPSと合わせて僕が向こうの位置情
報を出す!ジャイアンはそれに合わせて戦うんだ」
ジャイアン「やるしかねぇみたいだな」