のび太と出木杉がスネ夫とジャイアンにそれぞれ肩を貸して、5人は屋上へと上がった。
屋上は深夜とは思えないほどの光りに満ちている。
空にはぽっかりとタイムマシンの出入り口が開いていた。
そしてそこから出てきたのは……
のび太「タイム……パトロールだ」
スネ夫「戻ったんだ!未来が元に戻ったんだ!」
ジャイアン「何だって!!」
スネ夫「僕らがあいつを捕まえたから……これで僕たちを殺すことは出来なくなって、タイ
ムマシンの情報は抹殺されない。そのうえあいつらは焦って未来の道具をたくさん
使ってしまったから、それがタイム・パトロールに発見されたんだ!」
タイム・パトロールの巡視艇が屋上に着陸し、中から隊員たちが降りてくる。
隊員「野比のび太くん、剛田武くん、骨川スネ夫くん、出木杉英才くん、源静香さんだね。
タイムテレビで様子は見ていた。協力、どうもありがとう」
スネ夫「歴史は元に戻ったんですね?」
隊員「いや、残念ながら多少の変化が生じてしまった。タイムマシンの発明者が死んでしま
ったからね……タイムマシンの発明は、本来の2008年より遅くなることになる」
出木杉「それでも、タイムマシンは完成するんですね?」
隊員「ああ。もともと奴の計画は読みが外れていたんだ。仮に4次元空間で歴史を変えても
我々はそれを感知する極秘機関を4次元空間内に設置している。あとは彼らが逃げた
時代を特定するだけだった……君たちの思わぬ抵抗に焦った奴らが未来の道具を使っ
てくれたおかげで、この時代と特定できたんだ」
ジャイアン「でもよぉ、もう少し早く来てくれりゃあ俺たち怪我しなくて良かったのに」
のび太「そう言うなって。これで未来が変わらずに済んだんだからさ」
???「そう言い切るにはまだ早いよ、のび太くん」
のび太はその声に懐かしさを感じた。
いくら近い声を作っても何か違っていた。願っていた声が今、耳に入ってきたのだ。
のび太(そんな、まさか……)
ゆっくりと振り返る。
ドラえもん「やあ、のび太くん。久しぶり……大きくなったね」