しんのすけとシロが家出・・・
しんのすけ「シロ!家出するゾ!」
シロ「クゥーン……」
家出
とある日の昼下がり、しんちゃんは、突然僕にそう言ってきた。
でもまあ、それはいつものことだからなぁ。しんちゃんがこう言いだすのも、何度目か分からない。
どうせまた、お父さんかお母さんとケンカしたのだろう。
……でも、この日のしんちゃんは、いつもとは違っていた。
柔らかい表情じゃなくて、とても、真剣な顔をしていた。でもどこか、とても悲しそうだった。
よく見れば、パンパンに膨れた、いつものリュックサックを背負ってた。
「クゥーン……」
(しんちゃん、どうしたの?)
「おおシロ!一緒に行ってくれるか~!」
しんちゃんは僕を抱きかかえて頬擦りする。
「キャンキャン!キャンキャン!」
(違うよしんちゃん!違うから!)
「うんうん!そうそう!すぐに、出発するゾ!!」
しんちゃんは、僕を引きづりながら家を飛び出した。
――これは、僕としんちゃんの、とある夏の日の出来事……