ファミレスで目の前に座るスネ夫を見て、のび太は思った。
やっぱりおかしい。最近のスネ夫はのび太を見てもちょっかいはおろか挨拶もしてこない。
ちょっと前まで完全に見下していたのび太とファミレスに来るなど考えられないことだった。
スネ夫「……」
のび太「スネ夫、最近どうなんだよ?今日はDQNたちは一緒じゃないの?」
スネ夫「ま、まぁね。あいつらにも忙しいときがあるんじゃない?」
のび太「……」
スネ夫「……」
DQNたちの話をすると、明らかにスネ夫の表情が曇った。やっぱりスネ夫は……
のび太「なぁスネ夫、君はもしかしt」
DQN1「よう骨川。」
スネ夫「DQN1……」
DQN2「さっきの豚みてぇなやつは……いないな。」
DQN1「さっきはよくもほっといてくれたな。つーか野比もいるじゃねぇか。」
スネ夫「す、すいまs」
DQN2「だから敬語やめろってんだろーがぁ!!」ガシャーン
スネ夫「……
やっぱりな。誰も助けてくれない。それが普通だ。自分より強いものに立ち向かってまで正義を貫くなんて馬鹿げている。僕はヒーローでもガキ大将でもないんだ。
だから、俺もそれでいいんだ……
スネ夫は思い、地面に跪こうと思った時だった。
のび太「スネ夫、だめだよ。そんなことする必要ない。」
スネ夫「……」ピタッ
のび太「なんで同級生に土下座なんて……うわっ」ガタッ
DQN1「はい、お前かっこつけちゃったね。お前はよ、正義の味方でもなんでもねーんだよ。ただの友達のいないぼっちなんだよ。そこんとこわからせてやるから覚悟しな。」グイッ
DQN2「うわー怒らせちゃったよ。そいつキレっとマジやべーから。お気の毒~。」
スネ夫「……」
のび太「す、スネ夫……ここはいいからさ、人を呼んでk」
DQN1「ガタガタうっせーんだよ!!」バキィ
DQN2「お前も馬鹿だな~。俺らと骨川はダチなの。お前なんかどーでもいいわけ。なっ、骨川!」
スネ夫「……」
スネ夫は気づいた。
これは見せしめだ。
のび太「ぐはっ」バキィ
DQN1「弱いくせに囀ってんじゃねーぞガキが!」
財布とはいえ一年以上行動を共にしているのだからわかる。目の前で関係のない人を殴ることによって他人に助けを求められないようにしているんだ。そしてずっとスネ夫を財布にするために。
なのに、のび太はどうして……
のび太「スネ夫……」
DQN1「うるせぇ!いい加減黙れやボケ!!」
DQN2「野比もかわいそうにな。骨川なんかにかかわっちまったからこんなめに遭っちゃってよう。なぁ骨川。うははっ」
スネ夫「……ざけんな」
DQN2「……あ?」
スネ夫「ふざけんなっつってんだよクズ野郎!!」ドカッ
DQN2「いってぇ……骨川ぁ、てめぇやっちまったぁ……」
スネ夫「うるせぇ!中堅高通いの中途半端なやつなんか怖くないぞ!!」
DQN2「てめぇぇぇぇぇぇ!!」バキッ
スネ夫「う゛ぁっ」
の太「やめろ!」ガブッ
DQN1「ぐぁっ」
ボゴォ
DQN2「いってぇ!」