姉「………おんぶ」スクッ
弟「へ!?」
姉「して……おんぶ」 ヨロヨロ…ガシッ
ふらふらと俺の背後にまわりそのまましがみついてくる。
弟「しょうがないなぁも…う…ぐっ!!姉ちゃん!決まってる!首、きまってる!!」パシパシパシ
姉「おんぶ………弟におんぶ」ギュッ
姉「………♪♪」ギュウウウ
弟「かっ……カハッ……あ…目が…かすm」フラフラ
意識が飛びそうになるのをこらえながら、
なんとか姉ちゃんを部屋のベッドまでおんぶで運んであげた。2度ほど光り輝く階段がみえたよ♪
ベッドに降ろしてあげると、すぐ姉ちゃんは寝てしまった。
普段の眉間にしわをよせた鋭い睨み顔からは想像つかないぐらい、寝顔はかわいい。ゲロ臭いけど。
もう、もう二度と姉ちゃんのメールは無視しないぞ。あと姉ちゃんに酒は飲ませない。
おまけ
~翌日~
朝になっても、姉ちゃんは起きて来なかった。
起こしに行くのもなぁ…どうせあの分だと二日酔いだし。
昨日の今日でどんな顔して会ったらいいかもわかんないし。
あ、そうだプリンがあったはず!とりあえず食べよう!!
うまっ!!うまーーー!!
姉ちゃんもさぁ、料理上手いし、普通にしてれば綺麗なのに、
つくづくもったいない…。もったいないよなぁ…
ガチャ スタスタスタ
あ、姉ちゃんだ!!
だいぶ不機嫌そうな顔をしていいる。
こ、怖い。でも昨日は俺が全面的に悪かったんだ。
へ、変におびえず、明るい感じで接しなくては…。
弟「あ、姉ちゃん!おはよう!!もう大丈夫?」
姉「……………」
ギロッ
ひぃぃ!!睨んでる!睨んでるよ…!
やっぱ、昨日の事、素面モードだと凄まれるんだろうか。
な、なんとか姉ちゃんの機嫌を少しでも!!
弟「あ、あの……あ、そうそう!プリンおいしい!凄くおいしいよ!!」モリモリ
ツカツカツカ グイィッ!!
姉「…何勝手に食べてんの??」
弟「ひぃいっ!!だ、だって、プリン…プリン!」
姉「……ちっ」ドンッ
姉ちゃんは俺を突き飛ばすと、頭を痛そうに抑えてる。
これが二日酔いってやつか。
それにしても素面はやっぱ怖いよう。
昨日は、割かし…なんていうか……かわいかったのに…。
姉「風呂入る」
弟「あ、うん!!入りたいと思って、沸いてるから」
姉「……ちっ………」
そのまま不機嫌そうに姉ちゃんは風呂へと向かっていった。
お腹減ったし、カレーあっためて食べよう。次の日のカレーは美味いんだよね!!
姉「…………」ムクッ
姉「………頭痛い…何して寝たっけ……?」
たしか、弟の帰りを待っていたのは覚えいる。
中々帰ってこなくて、メールも返事をくれなくて、悲しかった。
そのあと……どうしただろうか?
姉「う……私くさっ…お風呂入ろう…うう頭痛い」ズキズキ
ガチャ スタスタスタ
リビングに出ると弟がいた。
昨日、弟いつ帰ってきたっけ。
いつもは私を見るなり怯えた目をされて、少し悲しいんだけど、
今日は少し違った感じがする。目がキラキラしてる。かわいい。
弟「あ、姉ちゃん!おはよう!!もう大丈夫?」
姉「……………」
大丈夫??私、昨日何かしたんだろうか。
体、ゲロくさいし。弟の前で、私…何かとんでもなく恥ずかしい事をしたのかもしれない。
うう…だめだ。思い出せない。思い出せない分、余計恥ずかしくなってくる。
弟の、澄んで輝いた世界最上級極上の綺麗な瞳が、かえってまぶしく見える。
弟「あ、あの……あ、そうそう!プリンおいしい!凄くおいしいよ!!」モリモリ
あ!!そうだ。プリン作ったんだっけ。
はー。本当は昨日、ご飯食べた後二人で仲良く食べたかったんだよね…。
おいしいって言ってくれてるから嬉しいけど。
でも、やっぱり、やっぱり最初の一口目食べるところも見たかった。
あーあ。ほんと色々、上手くいかないな…。
ツカツカツカ グイィッ!!
姉「…何勝手に食べてんの??」
弟「ひぃいっ!!だ、だって、プリン…プリン!」
違うのに…。違う。
一緒に食べたかったな、でもおいしいって言ってくれて嬉しいな。
苦いのと甘いの、どっち食べた?弟はどっちが好き?
なんで言えないんだろう。普通の事が。
なんでできないんだろう。普通の事が。
自己嫌悪が頭を覆いつくす。
姉「……ちっ」ドンッ
弟に近寄って、自分がゲロ臭いのを思い出した。
髪だってぼさぼさだ。よく平気でこんな姿で弟の前に。
急激に本気で恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになる。
だめだ、まずお風呂に入らなくちゃ。
ううぅ……頭痛い。昨日、弟に迷惑かけてないかな。
姉「風呂入る」
弟「あ、うん!!入りたいと思って、沸いてるから」