8件目
タイトル:できました
本文:プリンが出来ました。
とても上手に出来たと自分では思っていますが、
弟の口に合うかとても心配です。
冷蔵庫で冷やしておきます。夕食後、
一緒に食べましょう。
夕食は何がいいでしょうか。お買い物に言ってくるので、
それまでに返事をいただけるとメニューが決めやすく、
とても助かります。
11件目
タイトル:少し寂しいです
本文:とても楽しい時間をすごしている事だろうと思います。
もし、もし少しでも手が空いていたら、
ほんの数行でいいのでお返事何かいただけると、
それだけでとても嬉しいです。
少しわがまますぎでしょうか。
このメールも催促のつもりでは決してないので、
弟は気にせず、心から自分の時間を楽しんでいてください。
弟が楽しく時を過ごせるならそれだけで私も嬉しいです。
12件目
タイトル:少しよっぱらいです
本文:ちょっとだけ、お酒をのんでいます。
ひとりだとひまです。早く弟がかえってこないかなぁとおもいます。
ゆうはんはカレーをつくりました。はやくおとうとと一緒にたべたいです。
なんじごろに帰れますか?はやくおとうとにあいたいです。
お返事くれるとすごくうれしい。
13件目
タイトル:さみしいでせ
本文:おとうてのかおが早くみたえです。
すこすおさけをのめすぎたかもしれません。
おへんじ
………これは、何ハザードだ。なにうまだこれ。
ど、どうしよう。一通も返事送ってないのはさすがにまずい。
しかも酒入ってる……。顔あわせたら、どうなるんだろう。
酔っ払った姉ちゃんてみたことないが、これ、相当酔ってるだろうし。
俺、本当に死ぬんじゃないか?
と、とりあえず電話で様子みてみようか。
プルルルル プルルルル
プルルルル プルルルル
かちゃ
姉「…………」
弟「ね、姉ちゃん?」
姉「………グズッグジュル」
弟「ね、姉ちゃん!?」
姉「うっ……ううぅ……グズグズ」
弟「ちょ、ちょっと、とにかく今すぐ帰るね!!10分以内につくから」
姉「うぐっ……グスッ…うぇ」
プツ ツーツーツー
な、何やら大変な事に…。
とにかくダッシュ。ダッシュで帰宅しないと。
ガチャッ
弟「た、ただい……」
リビングに入ってそのカオスな光景に愕然とする。
あたりに漂うカレーのいい香り。
テーブルの上に散乱するカクテル類の缶。
缶のそばで山盛りの灰皿。そしてテーブルに突っ伏す姉ちゃん。
手には携帯を握り締めている。
弟「ちょ……、だいじょうぶ…?(酒くせえええええ)」
姉ちゃんの肩を叩いて意識を確認する。
弟「姉ちゃん……?起きてる?」
姉「…………グスッ」
ゆっくりと姉ちゃんが顔を上げる。
目は真っ赤な上に完全にすわっている。
いつもの鋭い睨みも怖いが、これはこれで怖い。
ガシッ!!
姉ちゃんはすわった表情のまま、俺の肩をつかみ、ゆらりと立ち上がった。
弟「ひぃい!!あ、あの!!(殺される!酒臭い!!殺される!!俺の人生は終わってしまった!!)」
ギュウウウウウウ!!
姉ちゃんはそのまましがみつく様に抱きついてきた。
弟「え!?あ…あの……姉ちゃん!?」
姉「…………グスッ」ギュウウウウウ
弟「ちょ、ちょっと、大丈夫?な、何?」
姉「………私……」
弟「え?」
姉「私………こんなん……だから……友達ほとんどいないし…」
姉「…話し相手…メールも…弟としか……から…グス」
姉「……返事……くれ…ないt…うぅ…うううぅぅグズジュグ」
姉「うえ゜え゛え゛え゛え゛……」
弟「ご、ごめん!ほんと!!メール気づかなくて!!もう絶対メール無視しないから!」
姉「え゛っ!ううぐ…うぅ…グジュルグズグズ」
弟「ごめんね、ごめんね!!泣かないで!!ね?ね??」
いつもみたいに暴力振るわれるほうがましだった。
姉ちゃん、酔うとこうなるのか。
あんな姉ちゃんが、こんなになるのは俺も辛い。
もう寂しい思いは絶対にさせないと誓った。
もう、泣かないで。泣かないで姉ちゃん。
姉「う゛ぅぅ~~………………グスッ……ヒクッ…う…」
ゆっくり背中をさすってあげて、落ち着かせてあげる。
弟「泣かないでね。ね?大丈夫だから。ごめんね」サスリサスリ
姉「う……っく……ひっ…………」
姉「………うっ…うぷ……」プルプルプル
弟「え!?!?!?」
ま、まさか
姉「き、きもt………うぅぐ…ッ」ブルブルブル
吐かないで。吐かないでお願いだからこの状態で吐かないで姉ちゃん。
姉「おr--------自主規制------------」
弟「ひああああああああああああああああああああああああああああああああ」
—-15分後—-
とりあえずぐったりしてる姉ちゃんをいったん座らせて、
水を飲ませたり、あと…俺が着替えたり……。
いつもみたいに暴力振るわれるほうがましだった。
弟「落ち着いた?」
姉「……眠い」
弟「ここで寝ちゃだめだから。部屋いこう。ね?」