後輩女「………………」モグモグ
男「………………」モグモグ
後輩女「こくん、男先輩、何か話してください。静かな食事も良いですけど、コミュニケーションも大切です」
男「午後の予定とか?」
後輩女「お昼休みに仕事の話はいりません。男先輩の私生活の話などなどをするべきです」
男「私生活、ね。また難しい話題だよ」
後輩女「彼女とか、彼女とか、そういう話をするべきです」
男「あいにく、浮ついた話は無くてね。平日は帰ったら寝るだけだし、休日は秋葉原とか図書館かな」
後輩女「寂しい生活してますね。お友達もいないんですか?」
男「最近連絡とって無いかな。まぁ良いけどね、一人で気楽だから」
後輩女「……じゃあ、わたしが休日付き合ってあげても良いですよ?」
男「や、無理して付き合わなくて良いよ。それに休日に仕事関係の人と会いたくないし」
後輩女「……可愛い後輩の提案は素直に受け入れるべきです」
男「………………」モグモグ
後輩女「受け入れるべきです!」
男「……考えておきます」
男「君は休日何しているの?」
後輩女「お買い物とか、お料理とかしてます」
男「彼氏と買い物? 彼氏に手料理?」
後輩女「………………」キッ
男「何で睨むの?」
後輩女「彼氏なんていません。今までいたこともないです」モグモグ
男「あぁそう。でも学生時代は人気だったでしょ? 告白されたりとか」
後輩女「こ、告白は……確かにありましたけど、自分じゃ人気かどうかなんてわかりません」
男「そんなに可愛いんだから、人気あっただろうにね」
後輩女「……わたし可愛いですか?」
男「あぁ、可愛いと思うよ」
後輩女「……ほんとに可愛いですか?」
男「二回訊くのね。本当に可愛いです」モグモグ
後輩女「えへへ」テレテレ
男「ご馳走様」
後輩女「済みません、食べるの遅くて」
男「ごゆっくり。待ってるから」
後輩女「………………」カタカタ
男「………………」カタカタ
後輩女「………………」カチカチ
男「………………」カタカタ
後輩女「………………」カタカタ
男「………………」カチカチ
後輩女「……静かですね」カタカタ
男「静かなのはいつも通り。もっと大人数で仕事がしたい?」カチカチ
後輩女「いえ、二人が良いです。二人きりでやるべきです」
男「一人で四拠点の品質管理は少し辛いからね。三人いたらやや物足りない仕事量かもしれないけども」
後輩女「男先輩が三人分くらいやっていると思います。リーダー一人で下が二人、計三人で本来ならこの仕事はキツキツです」
男「俺はもうそんなにやっていないよ。今はメインは君がやっているから、極端なイレギュラー処理と上への報告くらい」
後輩女「そのイレギュラーがわたしには処理し切れません。男先輩はまだまだ前線にいるべきです」
男「謙遜しなくとも大丈夫だよ。じきに慣れて何でも出来るようになるから」
後輩女「……わたしは男先輩のことわかっているのに、男先輩は全然わたしのことわかっていないです」ポツリ
男「仕事を再開しましょう」カタカタカタカタ