後輩女「エアーシャワーって」
男「うん」
後輩女「風が凄くて真っすぐ立っていられないですよね。あれを通るだけで疲れてしまいます」
男「俺は平気。君は見るからに軽そうだし、小さいし」
後輩女「今の発言で深く傷付きました。わたしに謝罪するべきです」
男「はいすみません。勘違いさせたようだけど、小さいというのは背が低いという意味です」
後輩女「『勘違いさせた』という発言でフォローになっていません。もう一度謝罪するべきです」
男「はいすみません」
後輩女「ちなみに男先輩の身長はおいくつですか?」
男「175センチだよ。ごく普通だと思うんだけど、このクリーンウェアのサイズにいつも困るんだよ。Mだと腕が短いし、
Lだと丈が長くて」
後輩女「わたしはSSがぴったりです。けどマスクと帽子が大きくて」フガフガ
男「顔がほとんど見えないね。でも体格ですぐ誰だかわかるから大丈夫か」
後輩女「……もはやわざと言っていると判断します。男先輩は大いに反省するべきです」
男「さ、仕事をしましょう」
後輩女「機具の洗浄は?」
Kマネ「高圧洗浄機で一掃してから煮沸です。その……マニュアル通りに」
後輩女「外観の汚れがちょっと気になります。内側だけでなく外側もやっています?」
Kマネ「はぁ……しかし手間が掛かりますから」
男「………………」
後輩女「それでは機具の洗浄は出来ているとは言えません。徹底してください」
Kマネ「しかしそれでは工数が掛かって……減らせるところは減らしたいと……」
後輩女「作業場は消毒して綺麗になっているところで、機具が汚れていても良いということはありえません」
Kマネ「はぁ……わかりました」
男「………………」
後輩女「前回見た時はこんなに汚れていなかったようでした。この部分は工数として洗浄をなくして良い部分では
ないはずです。マニュアルの確認と定型の書面で報告をしてください」
Kマネ「いや、そんな……それもまた手間が――」
男「Kマネ」
Kマネ「は、はい……」
男「担当者が変わったからってやり方が変わるわけではありませんから。マニュアルは最低工数だということを作業者全員と
再認識してください。マニュアルの改定提案は品質会議をもって正式に受け付けます」
Kマネ「あ、でもこれは作業者の残業も減らせて効果が出ているのでぇ……」
男「機具の洗浄は基本中の基本です。これが守れないならこの前の埼玉みたく作業をストップさせます。本来ならば
それがわかった今、作業は止めさせて一掃清掃させるところです。そうしていないのは、埼玉が再稼動したばかりで
生産が安定していないからです。とにかくダルいこと言っていないで確認と報告をお願いします」
Kマネ「はい……わかりました」
男「とはいえ、マニュアル不徹底は生管には報告しておきます。残業は人員確保で何とかしてください」
Kマネ「そ、それは……パートも募集しているんですが、なかなか人手が集まらなくてぇ……そのぉ……」
男「人員確保が難しいのはわかっています。私もマネージャー経験者ですから。しかしそれを何とかするのが上役の
仕事です。目先の工数削減ばかりでなく、まずはマニュアル遵守を基本としてマネージメントをしてください」
Kマネ「はぁ……わ、わかりました」
男「じゃあ、次ね」
後輩女「はい、では行きましょう」