「……今回の試験の結果は、言うまでもありません。――合格者は、しんのすけさんです!!」
「……オラが?」
「しんのすけさん!!やりましたね!!さすが、私が見込んだだけありますわ!!」
「……う、うん!よくわからないけど、やったよあいちゃん!」
あいちゃんは本当に嬉しそうにしていた。それを見ていたら、オラもようやく試験を合格した実感がわいてきた。
もうダメかと思ったけど、諦めないで良かった!!
本当に!!
そして試験官は、締めの言葉を告げる。
「――これにて、“あいお嬢様ボディーガード選抜試験”を、終了します!!」
………何か、言った。
「…………え?今なんて?」
すると、あいちゃんはさも当然のように言う。
「ですから、私のボディーガードを募集する試験ですよ。
――しんのすけさん、今日からあなたは、私のボディーガードですわ」
あいちゃんは、嬉しそうに微笑みかけてきた。
……でも、それどころじゃない……
「聞いてないよおおおおおおおおおおお……!!!」
オラの叫びは、建物の壁に反響し、大きく響き渡っていた……