【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

それから、オラは家に帰った。

「……ただいま」

「……あ、お帰り……」

ひまわりはオラに気付くと、力なく声をかけた。
申し訳ないような、気まずいような……ひまわりは、顔を伏せていた。

これは、オラのせいなんだろうな。
オラが妙な意地を張ったせいで、ひまわりにこんな顔をさせたのかもしれない。

「……ひまわり」

「……うん?」

「今度……出かけようか……」

「……え?」

ひまわりは、驚いたように顔をオラに向けた。

「街にでも行って、買い物でもしようか」

「う、うん……それはいいけど……」

「よし。決まりだな。――それはそうと、オラ、お腹空いちゃったよ。ご飯、食べようか」

「……うん」

ひまわりは、不思議そうに首をかしげていた。

でもオラは、見極めるつもりだった。
本当に、ひまわりにとってどうするのが一番いいのか。オラが、どうしたいのか。そして……

次の休み、オラとひまわりは街に来ていた。
車椅子を押しながら、建ち並ぶ店を眺める。
ひまわりもまたキョロキョロと辺りを見ていたが、どこか動きが硬い。
まだ、色々気になっているのかもしれない。

「……ひまわり、今日は色々見て回るからな」

「う、うん……」

……どうやら、ひまわりは動揺しているようだ。
オラが急に出かけるって言ったからだろう。

「……あ、そうだ。ちょっと寄り道していいか?」

「え?別にいいけど……」

ひまわりの許可をもらい、オラはとある場所に向かう。

そこは、街の駅前だった。
その場所に来たひまわりは、さらに首を傾げていた。

「……駅?隣町にでも行くの?」

「いや、行かないよ。ちょっと、ここで―――」

「――しんのすけ!」

後ろから、名前を呼ばれた。
振り返ると、ここに来た目的である、その人物が立っていた。

「……風間くん、待たせて悪かったね」

「え!?風間さん!?」

ひまわりは、驚いたように後ろを振り返った。そして彼女を見た風間くんも、彼女を見たまま固まる。

「……ひま……ちゃん?」

そんな二人を他所に、オラはひまわりを押して歩き始めた。

「ほら、行くよ二人とも。今日は、三人でお出かけだ」

「―――ッ!?」

「―――ッ!!」

二人は、更に表情を固めていた。

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