ひまわりは先に家に帰っていた。
一人だと怖いだろうからと、眠るまでは一緒にいた。
やはり相当疲れていたのだろうか、彼女はすぐに寝息を立てていた。
一人、帰り道を歩く。
そして家に辿り着いた時、玄関先にその人がいることに気付いた。
「……やあ」
オラは、少し笑みを浮かべながら声をかける。
「……おかえりなさい、しんのすけさん……」
その人――あいちゃんもまた、オラに返事を返す。
「オラを待ってたの?どうせなら、家で待ってればよかったのに……」
「いいえ。帰りを待つのも、妻としての役目ですので……」
「だから、まだ妻じゃないって。……それより、さっきはありがとう」
一瞬、あいちゃんは面をくらったように驚く。
「さっき、オラ達が捕まってた時、外にいたんでしょ?」
「……いつ、気付かれましたか?」
「別に、気付いてはいないよ。……ただ、あいちゃんのことだ。車椅子に、何か仕込んでたんでしょ?」
「……お察しの通りです。ひまわりちゃんの車椅子には、ひまわりちゃんの心拍数を計測して、もし異常値が出た後に席を離れて時、背に向けて発信機を飛ばす仕組みがありました」
「だろうね。天下の酢乙女グループの最新型だし、そんくらいの凄い機能はあると思ってたよ」
「………」
すると急に、あいちゃんは表情を暗くする。視線を下に向け、口を噛み締めていた。
そしてしばらく沈黙した後、静かに、口を開いた。
「……しんのすけさん、ごめんなさい。今回の件は、私のせいです」
