男「あっちぃ…」
女「ホント……」
カルピスを飲もうとして、中身が無いことに気付く。
男「うわっ」
女「飲んじゃった?」
女「飲む?あたしの?」
男「は?え?」
狼狽えて変な声が出た。
男「いやでもそれはさすがにちょっとそれは」
女「狼狽えすぎだって」
女さんが笑っているのを見て、冗談だったと気付く。
男「勘弁してよ」
つられて俺も笑う。
女「意外にうぶだなぁ」
男「いや誰でも驚くって」
そういって二人でまた笑う。
たったそれだけで、
たったそれだけで二人の間の距離感が、あっけないぐらい簡単に無くなっていく。
女「ホントはね…」
女「花と友くんが色々準備してくる!って言ってたのに」
女「二人とも花火しか持ってきてないから」
男「…あーなんか、あの二人らしいかも」
女「ね!そうでしょ!」
女「二人とも自分が花火担当だと思ってた!とか言ってて」
女さんがクスクスと笑う。