そんな風に重く考えてる事を知って。婆ちゃんは歓迎ムードだから心配ないと言っても、
「ちゃんとしてないとだもん。」考えすぎだとは思ったけど、俺まで少し不安になった。
家帰り着いて親父とおかんに帰ってきた連れて来たと報告してすぐ、初対面の婆ちゃんに紹介。
婆ちゃんに何やかや聞かれてその間中、きちんと正座。背筋伸びすぎ。受け答え、丁寧すぎ。
だんだん笑えてきて、時々視線で牽制されて。お婆さんと二人、笑い噛み殺すのに苦労した。
おかんが気付いて「今日はよそ行きなの?」って茶化してくれてやっと少し緊張解けて。
婆ちゃんの「うちの孫、よろしくお願いしますね。」って言葉に元気に「はい。」言って。
部屋に荷物置きに行った時に「…よかったぁ。」胸の前で、静かに小さく両手でガッツポーズ。
声弾ませて「これで家族全員公認のカノジョですよね。」その表現には、何か妙に照れた。
のんびりする為の帰省で特に予定無し。俺と彼女以外は酒入ったから、二人で初詣行って。
そこで地元の友達と出くわして。「あーあー、帰ってこねぇ訳だよなぁ。」それが第一声で。
連絡回されて、気心知れてる連中が八人集まって。ファミレスに場所移してそこで彼女紹介して。
激しく冷やかされたけど、彼女が真っ赤になって俯いたの見て止めて、馬鹿話経由で昔話に。
彼女は高校までの俺の事を興味津々で聞いてて。都合の悪い所伏せて貰うのに散々頭下げた。
久々過ぎて長々話し込んでたら、いつの間にか彼女寝こけてて。時間確かめたら朝の四時で。
先抜けする事にして、彼女おぶって店でようとしたら「結婚式呼べよ!」って誰かの声が飛んで。
俺もノリで「おう!」って返して店出て。少し歩いたとこで背中の彼女にほっぺたつつかれて。
「いつですか?」彼女聞いてたみたいで。「…。」「いつ?」「…大人になってから。」「あは。」
俺の首に腕巻いて、また寝入って。首に触れる寝息が暖かくて。なんとなく、遠回りして帰った。