「みさえ…」
「やだなぁに、真面目な顔しちゃって~」
「真面目な話だいいな…?」
「う、うん…」
「おまえのな…病気…は」
「…」
「癌…だ…」
「!…」
「辛い宣告なのはわかってるでも!これは俺達家族四人が一体になって乗り越えなくちゃならないことだからおまえに話した…」
「…」
「みさえ…?」
押し黙っているみさえ
「…のすけは」
「ん?」
「しんのすけは知ってるの?」
「…あぁ…かあちゃんはオラがお守りするって…」
「そう!」
顔を上げひろしに笑顔を見せるみさえ
「みさえ…おまえ…」
「しんのすけがあんなに明るく振る舞ってるんだもの…母親の私がうじうじしてられないわよ…!」
「みさえ…」
みさえを抱きしめるひろし
「みさえ…頑張ろう…生きよう、生きてしんのすけとひまを一緒に育てよう…みさえ」
「あなた…」
「とうちゃん…もう入っていい?」
扉の外からしんのすけの声がする
「あ、あぁ…!」
入ってくるしんのすけとひまわり
「ほらしんのすけ!幼稚園行きなさい!あなたも会社!」
「あ、あぁ、また夜来るからな!」