「どう責任を取ればいいんだよ?」
「そんなの自分で考えて!」
こうして波乱万丈なデート体験は幕を下ろし。
それから俺は、夏休み最終日まで悩み続けた。
ちなみに、連日ガリ勉宅に通い、宿題をした。
おかげでどうにか終わったが、難問は残った。
「水に流してくれるつもりは……」
「ない」
「……よな。くそっ、参ったなぁ」
結局、問題は解決しないまま。
明日から新学期。ちょっと気まずい。
不注意とはいえ、流石に不味かった。
少しは責任を感じてしまう。本当に参った。
「何をそんなに悩んでいるのよ」
「んなこと言ったってどうしようもないだろ」
途方に暮れていると、ガリ勉がぽつりと囁く。
「……あるわよ。責任を取る方法がひとつだけ」
「ほ、本当か!? 教えてくれっ!」
藁にも縋る思いで尋ねると、こう言われた。
「私と付き合えばいい」
それが冗談か本気か、俺にはわからなかった。