「まずは、相手の交友関係を尋ねて」
「いや、でもお前、基本的にぼっちじゃん」
「いいから言う通りにしなさい!」
気炎を上げられて、慌ててガリ勉に尋ねる。
「な、仲の良い奴とかいるのか?」
「いない」
「デスヨネー」
ねぇ、この問いかけに何の意味があるわけ?
「次は退路を断って」
「なんだそりゃ、どういう意味だ?」
「交際の申し込みを断りづらくするのよ」
「どうやって?」
「今、付き合ってる人が居るかを尋ねて」
「でも、さっき友達すら居ないって……」
「いいから、さっさと聞け!」
ひぇっ。もうなんなのこの女。おっかない。
「お前、付き合ってる奴とかいんの?」
「いない」
「デスヨネー」
だからさぁ……わかりきったことはやめようよ。
「最後は物理的に退路を断って」
「は?」
「ほら、立ちなさい! 壁際まで追い詰めて!」
手を引かれて、壁際まで向かう。意味不明だ。
「ドンッ! って、強く壁に手をついてみて」
「お、おう」
言われた通りにドンッ! と、壁に手をついた。
「きゃっ!」
「わ、悪い。びっくりさせちまったか?」
「あ、謝るな! 堂々としろ!!」
わっけわかんねーよ。もう、おうち帰りたい。