「注文して」
「前と同じのでいいのか?」
「うん、あれがいい」
去年と同じ、商品を注文する。
「ヘーゼルナッツアイスカフェモカのトールと、アイスエクストラショットソイキャラメルキャラメルマキアートのトールをください」
「やっぱり二回もキャラメルって言うの、変」
「文句があるなら自分で注文しろよ」
「いいえ。あなたに頼んで欲しかったから」
相変わらず、わがままなところは健在らしい。
「元気だったか?」
「ええ、そっちは?」
「まあ、理系でも上手くやってるよ」
学年が上がって、俺たちはクラスが分かれた。
俺は理系コースに進み、ガリ勉は文系コース。
だから、こうして会うのはわりと久しぶりだ。
「私も、いつも通りよ」
「新しいクラスでも、ぼっちなのか?」
「うるさいわね。ほっといて」
変わりなくて心配なような、安心するような。