【※開幕バトル※】給食のおかわりタイム、それは戦場。今日もアツいバトルが始まる・・・


この場合の敵は岡島だけだ
奴をどうやってまいてやろうかと
秒数にしてたっぷり2秒思考した所で

「ちょっと待てよ」

「っ!?」

強烈な悪寒と共に
背後から強者の気配を感じた

馬鹿な…この気配は…っ!

「俺も混ぜちゃくれないかい?」

岡田

相撲部所属の岡田だった

ちびっ子相撲クラブ所属
児童部門チャンピオン
若干9歳にして相撲界期待のホープ

奴を表す異名はたくさんあるが
これほど最適な異名もないだろう

暴食の岡田

数々の大食い大会を総なめにした
彼のあまりの食事量についた異名がこれである

強者が出るとあってみなカレーのおかわりを見合わせる

当たり前だ
眠りこける獅子を誰が起こしたいと思う

一見して5人前はあるカレーの量
暴食がいては三人で分けるなど不可能だ…

「そういえばさ、長谷川君」

奴が僕の名を呼びながら
僕の肩をそっと叩く

「君は俺に契約があったよねぇ」

な、なんだと!?
奴は一体何を言ってるんだ!


「な、何を言って…」

「これ、忘れたとは言わせないよ」

そういって岡島はへたくそな手書き文書を見せる

「あ…あぁ…」

わたくし長谷川は掃除当番を代わってもらいました

文書の内容は確かにそう告げている
それは僕自身が作成した契約文書だった

掃除当番の代替
それは小学生男子における絶対手形
神が民衆に下す宣告に等しい

いつぞや放課後に欲しいゲームソフトの発売があった為
彼に代わってもらった掃除当番だ

しかしこんな事をしても岡島にはメリットが…

「っ!?」

ま、まさか!

「貴様…!」

にやりと彼はほくそえむ
奴め、最初から狙ってやがった!

『水面に映る朧月』〈ダブルプレー〉

一人では出来ぬことも
二人いれば叶う

二人で一人を攻めることで
論理に正当性を持たせ多数決の原理を引き出す

おそらく二人で協力し他者の排除を行う事で
カレーを独占する事が狙いなのだろう

岡島と岡田による軍事協定
岡岡コンビの黄金プレイ
これぞまさしく双丘

おかわりにおける常套手段
僕としたことが…っ!

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