「今からそれっぽい告白セリフを考えとけよ」
「で、でもどうやって会長さんと接触するんですか?」
「そこらへんはオレにまかせとけって。なんとかしてやるから。
それより告白セリフをしっかり考えろよ」
この会話のあと、俺は家に帰った。
そして玄関の扉を開くと同時に、先輩からメールがきた。
『明日の昼休みなら、例の会長さん時間あるって』
先輩の行動力にはいつも感心させられる。
今回にかぎっては「ふざけんなくたばれ!」って思ったけど。
この日は母親がめずらしく早く帰ってきた。
職場の同僚から『メリメロ』をもらったとか言って小躍りしてた。
「どうせ太るなら、うまいもんで太りたいよねえ。アンタも食べるっしょ?」
俺も母親の影響で、甘いもの大好き人間。
フルーツタルトだからなおさら食べたかったけど、明日のことを考えたら、
食べる気になれなかった。
なぜかこの日は『うちの猫のキモチがわかる本』を寝るまでずっと読んでた。
そして、次の日の昼休みになるわけだ。