うちの学校の最上階は、すべて特別教室になってるんだ。
だから休み時間なんかは、ほとんど人が寄りつかない。
昼休み。俺がのろのろと最上階にあがると、すでに会長はいた。
「ナガタくん?」
俺は必死でうなずいた。
完全にしどろもどろになってた。
名前を呼ばれただけなのにな。
会長の声は不思議と、耳にすっと入ってくるんだよ。
しかも近くで見ると案の定かわいいんだわ、これが。
女子高生ってニキビとかで肌荒れしてたりするじゃん。
でも会長のほっぺはスベスベ。触りてえなって思った。
「はじめまして、だよね?」って言われて、
ようやく俺は自分が陥ってる状況に気づいたわけだ。
告白以前の問題があった。俺と会長は初対面。
なんとか自己紹介をすませたときには、汗だくになってた。
会長は逆に落ち着いてたなあ。
なにを話して、なにを聞いたのか。ここらへんの記憶はほぼゼロ。