先輩は俺の肩に手を回してきた。
「今まで俺が、お前にしてやったことを忘れたのか?」
これを言われると、俺はなにも言い返せない。
実は俺、B’zが超好きで、ファンクラブも入ってる。
しかし、俺はとにかくチケット運がない。
そして逆に、同じB’zファンの先輩はチケット運がいい。
去年のライブとかは、良席のチケットを俺のためにとってくれただけでなく、
おごってくれたりもしていた。
ていうか、それ以外にも俺は、かなり先輩のお世話になっている。
「なんなら、今年のもいい席がとれたら、いっしょに行ってやってもいいのになあ」
この年は、冬にライブがあったんだよな。
俺は考えたすえに先輩に聞いてみた。
「なんで俺に、あの会長さんに告白させようとするんですか?」
めずらしく先輩がまじめな顔をした。
「面白そうだからに決まってんじゃん」
このあとも先輩に抵抗を試みるんだけど、最終的に俺は折れた。
そして後日、俺は会長に告白することになる。