ちなみに。なぜ図書室で残っているのか。
今日は母親が休み。
そして、俺はファミレスでバイトをしていることになってる。
毎日早く帰ると、バイトをやってないことがバレる。
というわけで俺は、図書室で時間をつぶしていた。
てきとうに手にとった『黒い家』っていう本を読んでいたけど、
全然頭に入ってこなくて読書はやめた。
俺は知り合いがいないか確認して、ノートを開いた。
ちょうどそのとき、会長が入口から入ってきた。
俺は無意識に彼女を目で追っていた。
歩いている会長を見ていて気づいたんだけど、この人、
歩き方がすごいきれいなんだよ。
背筋がすっと伸びていて、落ちついた物腰。
会長は俺の視線に気づいたのか、こちらを見た。
会長が俺を手招きした。