「はじめてなんだ。そんなふうに『本読めません』って言われたの」
「しかもすごい熱心な説明だったしね」と会長。
俺は申しわけなさすぎて、なにも言えなかった。
「スパッとそうやって言われるのって意外ときもちいいね」
俺はますます困ってしまう。
嫌味ではないようだけど、すげえ居心地が悪かった。
「実は物語を読むのは好きじゃないんですよ、たぶん」
「たぶん?」
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俺は言った。
「好きなのは、書くことなんです」
「ほほう。ひょっとしてあのノートって、お話が書いてあるの?」
会長の言うとおりだった。
俺はひそかにノートに思いついた話を書きこんでいた。
