おっさんは面接のときにこんなことを言っていた。
『やめるときはその時計を事務所までもってきてほしいな』
実はあのバイトをやめるために、事務所に行ったとき。
おっさんは俺に時計をもってろと言ってきた。
おっさんは俺にも言ってたんだよ。
『なかなか素質あるね、キミ』って。
時間は感覚をうばう。
どうじに、時間は忘れていた感覚をよみがえらせてくれる。
俺にもメールがきた。
先輩にもメールがきた。
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「オレさ、けっこうあの子のこと好きだったんだよ」
「マジですか?」
「でもなんか踏み出せなかったんだよな」
「へえ。先輩でもそんなことあるんですね」
「正直お前には嫉妬した」
「でももう終わったことですよ」
先輩が俺を見た。
「終わったのかよ?」
