俺はなにも言えなかった。
結局春から今までがんばってきたのも、
気をまぎらわせたかっただけなのかもしれない。
「まあアレですよ」
「なんだよ」
「男はうしろをふりかえっちゃダメなんですよ」
「あの子はこんなことを言ってたぜ」
先輩がめずらしくまじめな顔だった。
「きちんと前に進むには、うしろをふりかえる必要があるって」
その言葉の意味は、よくわからなかった。
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それからは特別なにがあったわけじゃない。
先にも書いたように、俺はがむしゃらにがんばった。
まわりの推薦もあってか、俺は会長職を後期になってもやることにした。
まあでも、それだけだった。
高校二年の一年間は、
今までの人生で一番早くすぎた。
あっというまに春がきて、俺は三年生になった。
その日。
生徒会の用事で、俺は春休みにもかかわらず学校に来ていた。
