男「お前が勉強してる、資格、スゲー難しいのな」
女「・・・」
男「お前はさ・・・普通なら人に頼るところも全部自分でやろうとして、そのうえ明確な将来の目標も持ってる」
女「・・・私は・・・満足に歩けないからって、それに甘えてなにもしないのは嫌なんです」
男「お前は、オレなんかよりずっとスゲーよ・・・歩けない事、関係なく」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・でも、私だって・・・・歩けたら、もっと違う人間だったと思うわ」
男「・・・そんなこと言い出したらキリがないだろ」
女「そうだけど・・」
男「オレ、たぶん結構テキトーな性格だからさ・・・これからは勉強の事とか、なんか分かんないことあったら、お前に相談していいか?」
女「・・・うん」
男「その代わりさ・・・お前が困ったことあったらオレに言ってくれ」
女「・・・・・ありがとう」
男「ん」
気が付くと、最後の大水槽の前に居た。
女「・・・この水槽が最後ね」
男「そうみたいだな。吹き抜けで3階までつながってるんだな」
女「ええ」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・・あー」
女「?」
男「あのさ」
女「なに?」
男「オレと、付き合ってくれないか?」
女「・・・・・え?」
女「い・・意味が分からないわ」
男「いやだから・・・オレの彼女になってくれないかって言ったんだ」
女「・・・・からかってるの?」
男「本気だ」
女「・・・・」
男「・・・・」
女「私・・・車椅子なのよ」
男「知ってる」
女「あなたに迷惑をかけるわよ」
男「大したこと、ねーよ。そんくらい」
女「・・・私、出来ない事、たくさんあるのよ?」
男「お前は、それでもやろうとするだろ?それに、出来ないことあったら、オレがやるから」
女「・・・そうじゃないわよ・・分かってるの?私、これからずっとこうなのよ?私と付き合うってことは・・・あなたが私の世話をずっとしなければいけないって事なのよ?!」
男「分かってる・・・・さっき、覚悟した」
女「・・・・」