星空は消え、部屋が明るくなった。
アナウンスが客の退出を促す。
しかしながらオレたちは、その場から動かない。
施設の配慮により、オレたちの退出は最後だ。
全ての客が居なくなった後、係員が笑顔で車椅子を運んできた。
女「・・・起き上がらせてください」
リクライニングはかなりの角度になっており、そのままの状態から起き上がるのはそれなりの腹筋力が居る。
だが手元のボタンでリクライニングを起こせば、普通の椅子の角度になる。
それをしないということは、それは、オレに起こしてほしいという、彼女の甘えなのだろう。
男「背中に、手、回すぞ」
女「うん・・・ひゃっ」
男「っしょ・・・はい」
女「・・・//」
とすっ
男「じゃあ、行こうか」
女「・・・・うん//」
女「・・・・さっき・・なんであんな抱き方したの?」
男「嫌だった?」
女「嫌じゃ・・・ないけど・・恥ずかしいじゃない」
男「お前が、そんな事しなくても、自分で動けるの分かってるけど・・・お姫様抱っこっていうの、してみたかった」
女「・・・・//」
男「・・・女」
女「ひゃ・・はいっ」
男「楽しかった?」
女「・・・うん//」
男「良かった・・・メシ、どうする?」
女「お・・男君と、一緒に食べたい・・です」
男「ん。じゃあこのビルの中のレストラン行く?席有ればだけど」
女「うん」
男「じゃあエレベーターだな」
女「うん」