男「えっ?ファーストフードとか普段から食べんの?!」
女「な・・なによ。いいじゃない。たまには食べたくなるのよ!」
男「なんかすごい栄養バランスとか気にしてるイメージあったわ。オーガニックとか好きそうな」
女「なによその勝手なイメージ!」
女兄「あはははっ・・・仲良いなぁ」
男「あっ・・いや//」
女「っ//」
女兄「男君、こいつちょっと捻くれてるとこあるけど、仲良くしてくれてありがとね」
女「お兄ちゃん!一言多いわよ!」
男「・・・ぷっ」
女「もうーーー!」
ブロロロロ・・キッ
女兄「着いたよ。それじゃあぼくは近くに住んでる友達と遊んでくるから、二人で楽しんできな」
女「ありがとう」
男「ありがとうございます」
女兄「迎えは4時ごろでいいかな?」
女「ええ」
女兄「あ、男君」
男「はい?」
女兄「妹をよろしくね」
男「・・はい」
バタン・・・ブロロロロ・・
**
女「見て、すごくきれいね」
男「・・・・ああ」
パステル画のような、夏の雲と乾いた青空。
それぞれが全身で夏を表現しているような、見渡す限りのヒマワリ。
そして、白いワンピースと赤いリボンのついた麦わら帽子の彼女。
現実感が無いほどの美しさに、ごくり、と息をのんだ。
景色に飲み込まれて、動けなくなったオレは、彼女と目が合った。
彼女は目を細めると、オレの方に手を伸ばした。
半ば自動的にオレが手を出すと、彼女はオレに掴まり体重を預けた。
彼女が立ち上がると、再び風景が動き出した。
男「・・・キレイだな」
女「うん」
男「その服、去年水族館行った時のだよな」
女「・・・うん」
男「・・似合ってる・・・すごくかわいいと思う」
女「・・・ばか//」
彼女の身に着けているもので、あの時と違うところがあるとすればそれは、胸元のペンダントくらいだろう。
女「この服・・・・実はあなたに水族館誘われた後に買いに行ったの」
男「・・・そっか」
女「あなたが・・・気に入ってくれて嬉しいです//」
男「ん」
彼女とオレは、そのまま手を繋ぎ、ヒマワリの中を数歩歩いた。
彼女が座りたいと言うから、オレは彼女を彼女の車に乗せ、ヒマワリ畑を見下ろせる屋根のあるベンチまで彼女を押した。
ベンチに座ると彼女は、鞄から二人分の昼ご飯を出した。
彼女が作ったその昼ご飯は、彼女の家の味なのだろう。
オレには少し甘い味付けだった。