今までのようにみんなと一緒に過ごすことが出来なくなってしまうだろう。
たから、きっとこの夏休みがみんなと過ごせる最後の時間になるのかもしれない
「バーベキューとか、海とか花火とか……。青春で思い付くようなこと全部やってやろうぜ!忘れられない夏にしよう!」
「ああ、いっぱい青春しなくちゃな」
「おっ……」ドス
急にしんのすけが変な声を出しておしりを押さえた。
振り返ると、しんのすけの妹のひまわりちゃんが笑顔で立っていた。
「あっ風間さん、おはようございます♪…………おにいちゃん!これ、忘れ物!!」
「おお!うっかり忘れてたぞ」
「まったく。おにいちゃんいつも忘れるんだらか。じゃあね。風間さんもまたね。夏休みもいっぱい遊びにきてね///」
元気いっぱいのひまわりちゃんは僕たちに手を振るとスカートをひるがえして
前を歩く女の子の友人のもとに走って行ってしまった。
彼女もまた成長したなぁと思う。天然パーマの柔らかい長い髪はかわいく成長した彼女にすごく似合っていた。
「ひまわりはまだ中学生ですぞ」
「うん、そうなんだよなー///って………知ってるよ。そんなの」
「トオル、ひまわりのこと好きでしょ?さっき顔赤くなってたぞ」
「そっ……そんなんじゃないよ!確かにひまわりちゃんはかわいいけど///!」
「照れちゃって…でも俺、トオルだったらひまわりと付き合ってもいいぞ。トオルだったら信頼できるし、安心できるそれにひまわりもトオルのこと好きだと思うぞ。兄の目から見てもひまわりはかわいいし。それに………おっぱいも結構大きいんだぞ」
「!!!」
「あっ、今想像しただろう?やっらしー」
あの夏 確かに僕たちは一緒にいた。
「あっ。しんちゃんオハー♪風間くんもオハヨー」
教室のドアを開けて席につくと、しんのすけの前に座っていたネネちゃんが振り向いた。
奇跡的なことに、この高校三年間ずっと、僕はしんのすけと、同じクラスだった。
そしてこの三年生で初めて、ボーちゃんとネネちゃんとも一緒のクラスになることができた。
「明日から夏休みよー。あっねぇ今日みんな空いてる?終業式終わったらカラオケいこーよ。マサオのバカにはボーちゃんからメールするから」
「いいよー」
ネネちゃんは小さい頃からそうだったけれど、更に我の強い女王様タイプの女性に成長した。
顔立ちはきれいな方で、男子の人気も非常に高いがその性格のせいであまり人が近寄ってこない。
だけど本人はあまり気にしてはいないようだ。
無理をして友人を作る方がストレスがたまるし、うさちゃんもボロボロになると言っていたのを聞いたことがある。
そんな彼女の、心の許せる時間はやはり、僕たちと一緒にいる時だった。