「ちょっとマサオくん!なにその汚い靴!ちゃんと洗わないとダメっていっつも言ってるでしょ!足元を綺麗にするのがお洒落の第一歩なのよ!もうっ」
「はっ…はい!ネネちゃんはいつも厳しいなー。あっでもこれ、昨日バイクで転んで汚れちゃったんだ」
「ああ?バイク?あんたまだ、そんな危険なものに乗ってるの?まったく男の子って!!」
「ごめんなさい!でも怪我してないよオロオロ」
マサオくんは子供の頃から全然変わってない。ネネちゃんとの主従関係は今でも継続している。
マサオくんは昔からオドオド、オロオロしていて要領が悪かった。
僕たちと高校でバラバラになってしまうため。いじめられたりしていないか心配だった。
案の定、高校入学当初から、不良グループに目をつけられたマサオくんは、標的にされ壮絶ないじめをうけていたそうだ。
でもあるとき。
不良グループのリーダーが、とある広場でマサオくんを、集団でリンチして山か港に捨てようという
計画を立てたことがあったそうだ。
その広場までマサオくんを連れていくのに、不良グループの、リーダーは無理矢理マサオくんを、
バイクの後ろにのせたそうだ。
だけど、リーダーのあまりにも運転が下手すぎてマサオくんはキレてしまい
無理矢理運転をかわり自分でリンチ広場までバイクをはしらせたそうだ。
その並外れた技術とスピードに魅せられた不良たちは、マサオくんを崇め苛めはなくなったらしい。
そう、マサオくんはバンドルを握らすと性格が180℃豹変するのだ
つまり、マサオくんはやっぱりバカなのだと思う。
「おっ!うっかり忘れてたぞ!今日、うち昼間誰もいなく、ひまわりより先に帰らなきゃいけなかったんだ」
「えーしんちゃん帰っちゃうの?」
「うーん、そうだ。カラオケ、ひまわりもよんでいい?」
「いいわよー。ねえ風間くん」
「そうだよ。いいにきまってるじゃん。さあ早くひまわりちゃんよびなよ。、ほらほら」
こうして、僕たちの夏休みがはじまった。