教室を出ると女さんの友達が所在無げに佇んでいた。
男「なにしてんだ?」
女友「いや、教室に謎の結界が張られていて入れなかったのよ。おほほ」
本当に変な女だな。
女「友ちゃんも一緒に帰ろう。」
女友「うん。女っち、顔が赤いぞ?」
女「え?夕日のせいだよ!」
男「とかいって、俺といるから照れてるだけだったりしてー」
女友「ちょ!おま!」
女「・・・友ちゃん、そこの馬鹿はほっといて帰ろ!」
男「へ?な、そりゃないよ!」
女友「男君。君は笑いの勉強よりも先に知るべき物があるようだね」
男「ちょ、ちょっと先に行くなって!」
女子二人は俺を置いて帰って行った。女ごころと秋の空。気付けば外もすっかり暗くなっていた。
帰り道、久しぶりに本屋に寄り道をする。案外こういう場所にも笑いのネタがあったりするものだ。
男「・・・」
本はあまり読まない。最近読んだのは妹に借りたセカチューと言う本で10ページから進まない。
男「えーと、お笑い入門お笑い入門、あ、これだ」
本棚からお笑い入門という本をとりだす。
男「・・・なんか違うな」
友「何が違うんだ?」
男「お、おお!びっくりした。」
友「お前が本屋とはな。女子更衣室で遭遇した時なみに驚いたぞ」
男「女子更衣室なんて入った事ねえよ!ったく、本屋くらい来るよ。たまには」
友「ふーん?お笑い入門ねぇ?・・・所でよ、お前の下駄箱にラブレター沢山入ってただろ?」
今日も何通か入っていた。正直どれもラブレターという様な甘い内容ではなく、完全に嫌がらせに近いものだった。