女「そうではありません。今更小競り合いしたところで結果は見えてます。…それより、こちらの切り札を早くものにする事が重要でしょう。…必ず、近日中にいつでも使える状態にしてみせます。…それまで待っていただけますか」
電話の声「…わかりやした。健闘をお祈りしやす。…それじゃ、最後に何か、こっちでする事はありやすか」
女「…そうですね…では、住所○○の近くに空き部屋を手配しておいていただけますか?仮住まいにします」
電話の声「へえ。今夜中に手配させます。他には何か」
女「ありません。今回は連絡をありがとうございました」
電話の声「…へえ。それじゃ失礼しやした……プツッ…ツーッ…ツーッ…ツーッ…」
女(……………まずい…ですね…)
登校
幼「男君、おーはよっ」
男「おはようー」
幼「古典の課題もちろんやってあるよね?見ーせてっ♪」
男「なんかだんだん悪質になってくなあ…」
幼「細けぇこたあ!」
男「いや、省略しないで全部言おうよ」
女「…お二人とも。おはようございます」
男「あれ、女さん?どうしてここに?あ、おはよう」
女「ええ…実は家の都合で、この近くのアパートにしばらく仮住まいする事にしたんです」
男「家の都合…?店長さん、どうかしたの…?」
女「いえ、別に大した事ではないので気になさらないで下さい。…それにしても一人暮らしというのは大変ですね、当たり前ですけど、何から何まで一人でこなさなければならないのは思ったよりも疲れます」
幼「…へぇ」
男「そうなんだ…俺達に何か出来る事があったら言ってね?何でも手伝うから。な?」
幼「…えぇ!もちろんですとも!」
幼「…えぇ!もちろんですとも!」
女「…ありがとうございます」
女「…それで、お二人はいつもこの時間に家を出るのですか?」
幼「…まあ、そうだねー。お互いを待たせちゃいけないから結構出る時間帯は正確です」
男「幼なじみは正確に遅れてくるけどね」
幼「なんでそこで嫌味を言うかなあ…私は毎朝、どちらかが遅れてくるっていう不名誉を男君のために買ってでてあげてるんだよ?」
男「ほんとかな…」
女「ふふ…でしたら明日からは私がその不名誉を被りましょう」
幼「…」
男「あ…女さんも一緒に登校する?ていうかわざわざそんな事しなくても…」
女「いえまあ、本当は私朝が苦手なのでちょっと楽したいだけなんですけれどね」
男「そうなの?なんか意外だなー。女さん、朝は15分くらい余裕を持って登校しそうなイメージなのに」
女「あはは。そんな事ないですよ。お弁当を作るので起きるのは早いのですが、実際家を出る時には遅刻ぎりぎりになってしまうんですよね」
女「あはは。そんな事ないですよ。お弁当を作るので起きるのは早いのですが、実際家を出る時には遅刻ぎりぎりになってしまうんですよね」
男「お弁当か…朝苦手なのに毎朝作れるだけすごいんじゃないかな。幼なじみなんか、両親がいなくて自分が弁当を作るって時、午前中の授業すっぽかしてお昼から来るよ?」
幼「うるさいなあ。私は朝に急いで支度するのが嫌なんです。余裕のある女なんです」
女「…ふふっ、幼なじみさんらしいですね」
男「余裕があるのかどうかは甚だ疑問だけどね。…あっ、そういえば女さんっ、『スーパーマツコデラックス』はもうやってみた?」
女「ええ…まあ…。…ですが私には難しいようで、最初の1面すらクリア出来ないのですけれども…」
男「あー。あの1面は最初のステージのくせして初心者泣かせな要素が満載だしねー。詰まるのも無理ないと思うよ。今度、お手本見せてあげようか?」
女「あ…は…はい。是非お願いします」
男「わかった。…よーし、女さんのために今日は攻略サイトも見てまわろっかな。えーっと、スクウェアはもう更新してたから…あ、そういえばあのブログの人16連打バグ試してみてくれたかな。そこもちょっと確認してと…」
幼(……………明日からは、いつもより早く行こういこう、かなっ…)
休み時間
女「男君、あーん♪」
男「…あーん」パクッモグモグ
幼「…まったくう、見せ付けてくれますねぇ」
女「…恥ずかしいですけど、食べさせあうのってなかなか良いものですね」
男「俺ばっかり一方的に食べてる気がするけど…」