?「ここは関係者以外立ち入り禁止とされている」
千尋「す、すみません!」
?「参拝者の入り口は東側だ」
千尋「ごめんなさい….気がつかなくて…..」
?「それにしても….よく頑張ったね」
千尋「….へ?」
?「長い階段だったろ」
千尋「あ…はい…」
?「一休みしていきなさい。暗くなる前に帰るんだよ」
千尋「ありがとうございます….」
(すごい….この人すごくきれい…..)
-家-
千尋「ただいまー」
お母さん「千尋、担任の先生から電話あったわよ。進路先の紙、提出してくださいって」
千尋「あ・・・っ」
お母さん「もう・・・自分のことなんだからしっかりしなさい!」
千尋「ごめんなさい・・・」
お母さん「私だっていつまでも千尋に構ってる程ヒマじゃないんだからね!」
千尋「はい・・・」
(結局あそこの神社の居心地が良かったから長居しちゃった….)
(それにしてもあの人….お坊さんなのかな….?でも坊主じゃなかったし…なんなんだろう….)
-次の日-
千尋「先生、進路先なんですけど….あと一週間待ってもらえませんか」
担任「んー…就職するのか進学するのか、せめてどちらか決めてもらいたいんだが…」
千尋「すみません….あと一週間経ったら決めます。一週間だけ、時間をください」
担任「…一週間だけだぞ?」
千尋「ありがとうございます!」タッ
担任「やれやれ….」
友人A「千尋ー進路まだ決めてないんだって?」
千尋「うん….一応…考えてはいるんだけど…」
友人A「大学に進む気はないの?」
千尋「うん…ちょっとね、今気になることがあって….」
友人A「気になること?」
千尋「坂の上をのぼったってところがあるでしょ、グリーンヒルとちの木」
友人A「あの入り込んだ山奥?」
千尋「うん、そこに神社があるよね?」
友人A「あぁ、あるね。すごい昔からあるってうちのお母さんがいってた。」
千尋「そこの神社に….なんか….噂とかない?」
友人A「噂ァ?!」
千尋「たとえば….す、すごく綺麗なお坊さんがいるとか…」
友人A「んー…聞いたことないなぁ。この町人口少ないし。神無月とかなんとかで毎年神事が行われてるぐらいしか…」
千尋「神無月?!神様と関係があるの?!」
友人A「うん。でも田舎だから年寄りしか利用してないよね。存在も薄い神社だし。」
千尋「そうなんだ…..」
男子 A 「おい女子!掃除サボってんじゃねーよ!」
友人 A 「なによ!アンタ先週掃除忘れて帰ったくせに!大体…..」 ガヤガヤ
千尋 (今日もう一度神社に行ってみよう….あの綺麗なお坊さんに会えるかもしれない….)
千尋(東側ってどっちなんだろう…ん?この階段だったっけ?)
千尋(なんか昨日とちょっと似てる気がする….こっち側行ってみようかな…)
千尋(ん?!また道に迷った….どっちだったっけ?階段ないけどこの坂みたいなところのぼってみようかな…)
千尋「ハァ…ハァ….なんとか辿りついたけど…ここって….」